透徹と紅い瞳が昼間の戦域の空に向くのに、同じ方を見やった。あの、昼間の超長距離砲。
「……次は直接基地狙ってくるかと思ったが、意外とこねえな」
「重砲の役割は面制圧か固定目標の破壊だ。機甲兵器を狙い撃つようにはできてないし、一個戦隊如きに使うものでもない。あれも都市か要塞が本来の目標だろう。試射ついでにこちらに向けてみた、くらいじゃないか」
ライデンは低く嗤った。
「ついで、で四人か。つくづくやってられねえな」
「完成すれば四人どころか共和国が滅ぶ。おれたちにはどうでもいいが、……少佐はそうもいかないだろうな。対策がとれればいいけど」
淡々と言うのに、ライデンは内心ふぅんと思う。本人は気づいていないようだが。
86─エイティシックス─ 安里アサト
Are both the bold のに of the same usage? I think they mean "seeing that" or "because” rather than "despite". Or do you have other interpretations?
By the way, is the bold と after 透徹と of the same usage as 意外と (namely, that と changes 透徹 into an adverb)?
Edit: The preceding text is quoted as follows:
シンはちらりとライデンを見やって、無言で肩をすくめた。本当に気にしていないようだが、それでいいとライデンは思う。覚悟を決めて、全霊を尽くした果ての死だ。その責を負えるのは結局は、死んだ当の本人だけだ。